明日は我が身

書き物をするので、頭を柔らかくするために散歩をした。
秋の散歩は買ってでもした方がいい。ほんとうに美しい。
里芋畑にフジバカマ(花)を見つけて、写真を撮ろうと思いっきり身を乗り出していると、「好きに(畑に入って)撮っていいよ。今日はあったかいねぇ。」と、もっとあたたかくなる言葉をいただいた。
一輪車を押したツナギのお爺さん。

こんな広大な畑をお持ちだなんて、さぞかしお金持ちなんだろうなあ…なんて思いながら、
「ありがとうございます。ここ、素敵ですね。」
とお礼を言うと、お顔をくしゃっとさせて、
「いやあ、いまの政治家がどんどん税金をあげてくもんで、もう手放すしかないんだよ。建物をたてろたてろと色んな人が言いに来る。」と笑った。

ええっ⁈
つらい…こんなキレイな場所がなくなるのは辛い…‼︎
なんの解決策も見出せず怪訝な顔をしていると、「お姉さんはカメラマン?」とおじさんは言った。
いえ、カメラマンなら、もっとちゃんとしたカメラを持っていますよ。(→スマホ)
「偉いねぇ。そんなすごいモノ使いこなして。お姉さんは凄いよ。儂は馬鹿だから、80歳過ぎてパソコン教室にも行ってみたけど、ついてけなくて迷惑になってしまった。だから、こういう仕事をするしかないんだ。この間は、役所に説明を聞きにいったんだけど、詳しくは…ほれ、あの…」
ああ、続きはウェブで、ですか。
「それか?もっとわからない。長いこと並んだのに、それだよ。テレビのリモコンも、小さいボタンがいっぱいになってしまって、同じボタンを押しても画面が元に戻らないんだよ。これはもう、俺たちは用済みってことなんだろうなあ。」と、相変わらずおじさんは笑っていた。

これは最近のテーマだ…。どこかに主軸をもって社会は動いて行かなきゃならない、仕方がない…でも、何かが間違っているのは確かだ。社会の本質は、社会的弱者に現れるものだから。

また怪訝な顔をさせて悪いと思ったのか、おじさんは「お邪魔しました。どうぞ、ごゆっくりしておいで。」と、ゆっくり一輪車を手に持った。

おじさん!そのご意見、大事です!ユーザビリティ的に…あっ…そーゆーこと、皆んな分からなくなっちゃうと思うから。そういうご意見、ほんとはすごく大事だと思います!
と、なんの解決にもならないことを口走ってみたものの、「いやいや、儂が頭が馬鹿なんだよ。」と、おじさんは土の上を気持ちよさそうに歩いて行った。

なんだって、命を張って私たちのいまを守ってきた人たちが皆んなして、〝自分は馬鹿、馬鹿〟言うんだ…?
明日は我が身か…?

リフレッシュするつもりがなんだか頭が腫れてしまったので、ひとまず文字に排出する。